研究課題
既設の装置(軽元素用質量分析計(Micromas社製PRISM)、レーザーマイクロプローブ前処理装置)を改造し、デュアル・インレット方式によるケイ素同位体比測定のルーチン化(試料の前処理及び同位体比測定)を試みた。CO_2レーザーを用いて、フッ素ガス雰囲気で珪酸塩を溶融させると、酸素ガス(O_2)と四フッ化ケイ素ガス(SiF_4)を生成する。生成したSiF_4を捕集し、質量分析計へ導入することで、^<30>Si/^<28>Si及び^<29>Si/^<28>Siの2種のケイ素同位体比データを得ることができた。標準試料、研究室基準試料、リファレンスガスは次の通りである。(1)標準試料はIAEAより有償で配布されているNBS-28およびNBS-30を用いた。(2)基準試料は信越石英(株)製の高純度石英ガラス(SUPRASIL)を用いた。(3)市販のSiF_4リファレンスガス製品は無い。(株)ステラケミファに作成を特注した。当初、測定にはSiF_4のイオン化の過程で生じるSiF_2のフラグメント・ピーク利用し、測定を行っていたが、次の条件により、SiF_4でのピーク検出、測定に成功した。加速電圧:4650kV、Trap Current:400μA、Magnet Current:4.04997SiF_2のフラグメント・ピークに比してSiF_4のほうがガス量も多く、ピーク強度も大きいので、少量の試料で精度の良い同位体比(測定誤差±0.1‰以下)データが得られた。試験的に珪酸塩からなる地質試料のケイ素同位体比測定を行い、概ね満足できる結果が得られた。本研究によって、同一試料の微少範囲(直径100〜数100ミクロン)から、酸素2種類とケイ素2種類の計4種類の同位体比が得られることになり、地質学分野への応用が期待できる結果となった。
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Engineering Geology (in press)
Landslide risk analysis and sustainable disaster management
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砂防学会誌 58巻・3号
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新潟大学積雪地域災害研究センター研究年報 27号
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