研究課題/領域番号 |
16654079
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
足立 守 名古屋大学, 博物館, 教授 (10113094)
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研究分担者 |
鈴木 和博 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (90111624)
山本 鋼志 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (70183689)
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キーワード | ジルコン / CHIME法 / 地球最古の鉱物 / 地球最古の岩石 / ジャックヒルズ礫岩 / アキャスタ片麻岩 / ワラウーナ層群 / ドロマイト岩 |
研究概要 |
今年度は、地球最古の鉱物(44億年前のジルコン)が報告されている西オーストラリアのナリヤー・コンプレクス地域のジャックヒルズ礫岩も、地球最古の岩石(40億年前のアキャスタ片麻岩)が産するカナダのスレイブ地域においても試料採取を行うことができなかったので、手持ちの試料を用いて以下の予察的な研究を行った。 (1)北極圏カナダ、スレイブ地域産の花崗閃緑岩起源のアキャスタ片麻岩からジルコンを分離し、CHIME法によりジルコンの年代測定を行った。その結果、大部分のジルコンは36億年よりも若い年代を示したが、ごくまれに40億年という地球最古の岩石と同じ年代を示すジルコン粒子が存在することを確認した。この古いジルコン粒子が他のジルコン粒子と化学組成の上でどのように違うかについて検討を行ったが、よく判らなかった。 (2)ナリヤー・コンプレクス地域の北方に位置するピルバラ地域産の34-35億年前のワラウーナ層群の堆積環境を明らかにするために、玄武岩質枕状溶岩に挟在する灰色のドロマイト岩の希土類元素(REE)の詳細な研究を行った。その結果、約34億年前の海水中の希土類元素の存在量は、現在の海水中の希土類元素よりも一桁から二桁多かったこと、希土類元素の中でもDyやYbなどの重希土類元素が多かったことが明らかになった(Yamamoto et al.,2004)。
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