研究課題/領域番号 |
16654083
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
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研究分担者 |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
鈴木 昭夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281975)
寺崎 英紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50374898)
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キーワード | ダイヤモンドアンビルセル / レーザー加熱 / 放射光実験 / 水素 / 木星型惑星 |
研究概要 |
初年度である本年は当初の計画通り、高温高圧下でガスを封入した実験が行えるダイヤモンドアンビルセルの開発、及び試料室の最適化を行った。ダイヤモンドアンビルセル設計の問題点は外熱装置とレーザー加熱装置が併用できる事、様々な光学測定が可能な広い窓を持ち合わせる事、X線回折実験時にフルサークルの回折パターンが得られる事、高温高圧下での放射光実験が可能であるように観察光学軸に対してセルが対称性を持った構造である事、高温時の脱圧や測定位置の変化を避けるための冷却機構を持っている事、ガス充填が可能なクランプ機構を持つ事等である。専用のダイヤモンドアンビルに関しては上記の要件を全て併せ持った装置を、新たに設計開発した。いくつか両立する事が困難な機能が有ったため、何度か細部の修正を行い、最終的には上記の全ての機能を併せ持った、これまでにない多機能と、圧力・温度の保持安定性を併せ持つセルが完成した。また、高温時に試料室からのガスの逸脱を防ぐ試料室の構成や断熱材の選定などについても、実際の高温高圧下での基礎実験を行った。実験は放射光実験施設(KEK-PF)でレーザー加熱を行いながら行った。最もガス抜けやアンビル破壊の影響が大きい水素ガスとレーザー吸収剤として鉄系金属を試料室に封入して高圧下でのレーザー加熱の可能性を検討した。ガス充填は物質・材料研究機構の装置を用いて行った。試したダイヤモンドアンビルとの断熱材はNaClとMgOである。共に50GPa領域で2000K領域までの加熱テストを行ったが、両方の断熱材が安定した過熱に成功している。但し、MgOに関しては高温高圧下で水素との化学反応を起こした可能性があり、今後の再検討が必要である事が分かった。
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