研究課題/領域番号 |
16654084
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浦辺 徹郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50107687)
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研究分担者 |
砂村 倫成 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90360867)
荻原 成騎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50214044)
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キーワード | 地下生物圏 / 熱水合成装置 / 好熱菌 / 海底熱水活動 / 分解 / 元素循環 |
研究概要 |
地殻内に存在する地下生物圏の分布限界を支配する要因には様々なものが考えられるが、その内もっとも重要なパラメータは温度と考えられる。生体物質の多くが、容易に熱分解を起こすことが知られているからである。そこで実験の第1歩として,海底熱水系に普遍的な温度である350℃において、セイフリード型高温高圧装置を用いた中温菌と好熱菌の菌株のタイムシリーズでの分解実験を行った。350℃という生存限界を超える温度において、どれくらいの速度で細胞の構造が壊れるかを知ることにより、高温熱水中にしばしば見られる微生物の"痕跡"が、その中で生存していたのか、たまたま熱水循環の経路で取り込まれただけなのかを検証するためである。 この実験の成否を握るのが、微生物数のカウントにおける定量性である。予備実験の結果、セイフリード型高温高圧装置に菌株を送り込む装置としてアキュムレータを取り付けることにより、それが可能であることが分かった。アキュムレータは室温において、内部の圧力をあらかじめセイフリード型高温高圧装置のそれとを同一にし、その後、バルブを全開して試料のやりとりをするための装置である。この装置を用いることにより、耐圧バルブを開放できることから、キャピラリー部に置いても微生物が人為的に破損されることがない。 1回目の試料採取では、キャピラリー部に残っている微生物が出てくるが、2回目以降はフラッシュされてそれがなくなり、定量的な検討に耐えることが分かった。予備的な実験によると、微生物の分解は中温菌でも好熱菌でも速度は変わらないことがわかった。
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