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2004 年度 実績報告書

メタン分子の識別・捕捉と選択的酸化分子触媒創製への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 16655039
研究機関九州大学

研究代表者

成田 吉徳  九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (00108979)

研究分担者 谷 文都  九州大学, 先導物質化学研究所, 助教授 (80281195)
島崎 優一  九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (80335992)
キーワード小アルカン分子 / 分子認識 / 選択的捕捉 / キャビタンド / ポルフィリン / 非極性相互作用
研究概要

メタンに代表される小アルカン分子の認識・捕捉・選択的反応は有機化学領域において未解決の課題である。とりわけこれら分子の選択的酸化反応は、カスケード反応のために選択的にアルコールへの変換は困難とされている。この分子設計においては小アルカン分子を取り込み、一定時間その取り込み部位に存在させるためには疎水性空間と狭溢なポータルを兼ね備えており、しかも取り込んだ分子が外部の分子と交換できる程度の分子の揺らぎを持つ必要がある。そこで、これらの要請を満たす分子としてキャビタンドを用い、これを潜在的な反応部位であるポルフィリンに架橋結合させた「キャビタンドポルフィリン(CP)」を設計し、合成した。このCPの亜鉛錯体はX線単結晶構造解析よりvan der Waals半径を考慮すると83Å^3の空間を有しており、メタン(26Å^3),エタン(42Å^3)等の取り込みが十分可能であることが明らかとなった。次に、重クロロホルム中においてこれら小アルカン分子の取り込みの^1H NMRにより観測したところ、溶媒分子の取り込みは起こらず、選択的にアルカン分子1分子のみがキャビティー中に取り込まれ、ポルフィリンとキャビタントの芳香環の磁気異方性効果により大きく高磁場シフトすることが明らかになった。またこの方法によりメタン、エタン、アセチレン、エチレン、シクロプロパンは取り込みが起こるが、プロパン(59Å^3)は全く取り込まれないことが明らかとなり、明瞭な分子識別能を有することを立証した。更に、窒素ガスの吹き込みにより容易に取り込まれたアルカン分子は交換することから、ゲスト分子はキャビティー内へ可逆的に取り込まれていることも立証できた。このようにメタンの様な小アルカン分子1分子の可逆的識別が行える例は無く、世界初の例である。この結果により、小アルカン分子の選択的反応への関門が克服できた。これらの結果は、Angew.Chem.に投稿中である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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