研究課題
液晶は、分子長よりもはるかに長い相関長を有しているために光学波長オーダーの周期構造を自己組織的に形成することができる。本研究では、液晶中に微量の液晶性高分子を分散させ、均一ホモジニアス配向状態に電場を印加することにより周期的ストライプパターンを生じさせ、電場除去後も安定に保持することに成功した。電場誘起のパターン形成は良く知られた現象であるが、電場除去後は一般に消失してしまう。今回、電場除去後にパターンがメモリーされたことは、応用上大きなメリットがある。形成のメカニズムとしては、瞬間的な電場印加により単安定状態にあった液晶相が瞬時に双安定状態におかれ、スピノーダル分解的に2種のドメインの特定波長の周期が増幅されたためと考えることができる。この際、分散された液晶性高分子の液晶基部分が不可逆的な再配向で周期的ストライプ構造をメモリーしたと推測できる。この構造をもつ液晶セルは光散乱型の偏光素子として応用可能である。
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Trans.Mat.Res.Soc.Jpn 29
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Proceedings of SPIE, Liquid Crystals VIII 5518
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