次の2テーマについて検討した。 1)カーボンナノチューブ(CNT)と高分子の複合について、ゲル-結晶化法を採用して検討した。CNTの銅メッキについての予備実験より無電解メッキが有効であり、メッキ浴の化学組成も重要であることが判明してきた。これに成功すると軽量で銅と同じ電気伝導度を有する導電性材料の開発になることが期待される。2)CNTが膜面に垂直に配列された薄膜を作成し、新しいリチウム電池の負極板に応用した。この考えは、従来の炭素板ではリチウムの充電プロセス、即ちリチウムのCNT内への取り込みはできても放電プロセスが不十分であるので、リチウムのCNTからの出し入れを有利にするようにCNTを膜面に垂直に立て、この放電プロセスのスムーズ化するものである。こ2)については、end-closeとend-openのナノチューブを作成して、検討を行なった結果、end-openのナノチューブのほうが、はるかに充放電の効果が大きかった。これはナノチューブの管の内部にまでリチウムイオンが出入りすることを示唆する結果である。この内容は2005年高分子年次大会で発表後、直ちに論文として投稿する予定である。なお、1)のナノチューブの銅メッキについては今のところ、一様にメッキされておらず、現在検討を加えている。
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