研究課題/領域番号 |
16656006
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福田 承生 東北大学, 多元物質科学研究所, 客員教授 (30199236)
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研究分担者 |
吉川 彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (50292264)
山根 久典 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (20191364)
菊地 昌枝 東北福祉大学, 感性福祉研究所, 特任教授 (00005951)
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キーワード | バルクGaN / 安熱合成法 / 酸性鉱化剤 |
研究概要 |
アモノサーマル法によるGaN結晶の作製においては、前駆体・鉱化剤の種類や濃度、結晶作製温度や圧力など、様々なパラメータについて最適化しなければならない。鉱化剤をNH_4Clに絞り、温度圧力を系統的に変化させることでデータを蓄積した。得られた実験結果のうち、特に最も重要である核生成の制御に考察した。 安熱合成法によるGaN結晶育成実験の結果、HVPE法により作製された2mm角GaN基板上への結晶作製に成功した。4日間で21μmのGaN結晶成長に成功した。逆格子マップによる評価から、育成結晶は種結晶上にエピタキシャル成長していることが分った。また、鉱化剤の添加量により結晶成長速度や形状の制御が可能であり、これまでに最高で27.5μm/dayまで達した。また、10日間の長期間育成実験においても、結晶育成は継続されていることから、原料が継続して供給されてさえいれば、結晶成長はコンスタントに継続されることが分った。 2mm角での結晶作製に成功したことから、結晶の大型化についても試みた。10mm角のバルク種結晶を用いて、10日間で膜厚230μmの透明なGaN結晶作製に成功した。結晶の作製速度は23μm/dayであり、バルク種結晶を用いても、結晶育成速度が変わらないことが確認された。電子線回折パターンから、作製したGaN結晶は単結晶であることが確認され、また、TEMによる転位密度測定の結果、転位密度は基板と同程度の1.0×10^9cm^2であった。 本研究により、安熱合成法によりGaNバルク結晶作製が可能であることを示した。また、長期間育成においても結晶作製速度が保たれることが確認され、バルク種結晶上へのGaN結晶作製にも成功した。これにより、さらに大きな種結晶の仕様と長期間育成をすることで、バルクGaN単結晶の大型化が期待される。
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