研究課題/領域番号 |
16656020
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
WRIGHT B.Oliver 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281790)
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研究分担者 |
松田 理 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30239024)
友田 基信 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30344485)
田村 信一朗 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80109488)
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キーワード | 多層薄膜構造 / フォトニック結晶 / ポンププローブ分光 / サブTHz音響フォノン / フォトニックバンドギャップ / 超高速現象 / 光音響変調器 / ピコ秒レーザー音響法 |
研究概要 |
本研究の目的は、フォトニック結晶構造に基づく100GHz周波数領域の音響光学変調器の開発をすることである。フォトニック結晶中では、特定の波長領域の光が伝播できないフォトニックバンドギャップが生じ、これを利用して光を狭い領域に閉じ込めることができる。この高い密度で閉じ込められた光に、超短光パルス励起によって発生させた音響波パルスを作用させる。これにより、音響波による表面・界面の変位や光弾性効果によって光を効率的に変調できる。この研究は新世代の超高速音響光学変調器の開発や、低エネルギー密度の光によって別の光を超高速で変調するデバイスの基礎となる。 高周波数の音響波に対して高い変調効率を持つ試料を目指して、SiO_2基板上にAg層およびTiO_2層からなる周期多層膜構造を設計・作製した。フォトニックバンドギャップの設計地はプローブ光の波長である830nm近辺とした。作製した試料の反射・透過スペクトル測定により、試料が期待された光学的性質を持つことを確認した。 作製した試料に対して、波長415nmの光パルスをポンプ光、波長830nmの光パルスをプローブ光とするポンププローブ測定を行った。用いた光パルスの時間幅は100fs程度である。ポンプ光の照射により試料中に100GHz程度の周波数スペクトルを持つ音響パルスを生成し、この伝播による反射率の過渡的な変化を遅延されたプローブ光パルスを用いて測定した。測定結果には、プローブ光波長とフォトニックバンドギャップエネルギーが近接していることによる反射率変化の増強が観測された。
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