研究課題/領域番号 |
16656027
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寒川 誠二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30323108)
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研究分担者 |
羽根 一博 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50164893)
小野 崇人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90282095)
熊谷 慎也 松下電器産業株式会社, 先端技術研究所, 研究員 (70333888)
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キーワード | 量子ドット / 中性粒子ビーム / フェリチン / エッチング / 表面プラズモン / 近接場光 / Bow-tieアンテナ型 / マイクロマシンプローブ |
研究概要 |
サブ10nm量子ドット(ナノカラム)の作製条件の最適化を行った。量子ドット構造は、フェリチンと呼ばれるタンパク質の内部に存在する直径7nmの鉄コアをマスクに、低ダメージ・高密度な独自の中性粒子ビーム源を用いてシリコン基板をエッチングすることで得られた。量子ドットの形状とエッチング選択性の観点から、エッチングガス、ビームエネルギーを最適化した。同時に、ESRやTEMを用いて内部欠陥を観察し、欠陥が極めて少ないナノ構造ができていることが分かった。 ナノメートルの分解能を達成するためのマイクロプローブを作製し、その基本特性を評価した。測定対象とするSiの量子ドットは数ナノメートルの直径であり、これ以下の分解能がプローブには必要である。対向する金属プローブからなるBow-tieアンテナ型プローブは、近接場光を数ナノの空間に閉じ込め、更に、表面プラズモンの励起により、入射光の数千倍の電場の増強効果が期待されている。しかし、このためには、対向する金属プローブ間のギャップを数nmほどに小さくする必要がある。開発したマイクロマシンプローブは、静電アクチュエータを集積化し、金属プローブ間のギャップを可変して、狭いギャップを得る構造とした。作製したプローブにより、近接場のイメージングが可能であること、およびBow-tieアンテナ型の構造をもつことで、電場が増強されていることを確認した。また、近接場光を検出する際に、プローブを機械的に振動させると近接場光が変調され、ロックイン検出で、S/Nが改善されるとの結果を得た。以上の知見から、開発したプローブがSi量子ドットの分光測定にも十分利用できると期待できる。
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