研究概要 |
本研究は,被検査体を透過したマイクロ波ビームの電場分布を電気光学結晶に入力されたレーザビームの偏光に置き換えることによりマイクロ波影像を得る装置を開発し,被検査体の電磁物性分布を画像化することを目的とするものである。まず,高分解能なマイクロ波影像をリアルタイムで取得可能な装置の開発を狙う。さらに,その応用としてシリコンウェーハの導電率分布の非接触計測への実用化を図る。2年継続により,(I)マイクロ波影像装置の開発,(II)マイクロ波周波数及び電気光学結晶の最適化,(III)シリコンウェーハの導電率分布の定量評価,なる3項目の研究を推進し,目標を達成する。本年度は以下の実績を得た。 1.マイクロ波影像装置の開発 本研究の根幹となるマイクロ波影像装置を構築した。信号源としては現有の設備であるネットワークアナライザ(HP8510C)を利用し,連続正弦マイクロ波を発生させ,ホーンアンテナを介して被検査体であるシリコンウェーハに向けて照射する。被検査体を透過したマイクロ波ビームの電場を,被検査体の後方に設置したマイクロ波影像装置中の電気光学結晶に印加すると,電気光学効果によって同結晶中に入力されたレーザビーム(現有設備であるレーザ発振装置(Millennia Vs)による)に偏光が生じる。装置中に設置した偏光ビームスプリッタにより偏光されたレーザビームを取り出し,高感度CCD検出器により,マイクロ波の電場分布の変化に対応するレーザビームの偏光を検出した。 2.マイクロ波周波数及び電気光学結晶の最適化 上記の研究成果を踏まえ,マイクロ波周波数,及び電気光学結晶の種類を変化させ,マイクロ波影像装置におけるマイクロ波周波数,及び電気光学結晶等の最適化を行い,より高分解能,高感度の影像の実現を図る。
|