研究概要 |
マイクロ非球面ガラスレンズをプレス加工するための技術を研究している。現在,プラスチックの微細光学部品は,射出成形やプレス加工によって大量生産され,CD, DVD,光通信デバイスなどに利用されているが,プラスチックは熱膨張が大きいこと,湿気に弱いこと,分散が大きいこと,短波長光の吸収が大きいことなどの問題を有している。したがって,微細光学部品材料をプラスチックからガラスに置き換えたいというニーズが存在する。 マイクロ非球面ガラスレンズをプレス加工するために,次のような技術を研究しているが,研究計画通りの成果をあげられた。 1、マスクレス露光機を用いて,シリコン基板に非球面レンズ形状を形成する技術 マスクレス露光機を用いて,グレイスケール露光を行うためのソフトウェアを開発し,条件出しの後,設計通りの曲面をフォトレジストレジストに形成できた。また,そのフォトレジスト形状を,反応性イオンエッチングによってシリコン基板に転写した。 2、シリコン基板の非球面レンズ形状を,SiCモールドに高精度に転写する技術 自作の大気圧CVD装置を用いて,パターンの形成されたシリコン基板上にSiCを成膜した。表面研磨の後,これをSiCセラミックブロック(モールドの台座)に,金属薄膜を用いた固層反応接合によって接合し,シリコン基板をウェットエッチングによって除去した。このプロセスを開発し,微細形状を有するSiCモールドの製作に成功した。表面粗さは,光学部品として十分使える水準である。 3、SiCモールドを用いて,ガラスにプレス加工する技術 本技術は,平成17年度に研究する予定であったが,先行して味見実験をし,ガラスプレスの可能性を確認した。
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