研究概要 |
半導体微細加工技術によりシリコン及びガラス曲面に製作したナノ構造をモールディングにより転写し,曲面ナノ構造を製作する技術を確立することを目的としている.本目的を実現するために,まず,電子線描画装置により平面シリコン上へ超微細構造(サブ波長2次元格子)を描画し,原子線エッチングによりモールドを製作した.まずシリコン基板上の電子線レジストへ周期200nmから500nm程度の2次元格子パターンを製作した.次に原子線エッチング装置を用いて,シリコン基板へ転写した.エッチング条件を調節することで,テーパ断面形状を実現した.非球面補正を行ったフレネルレンズも製作した.この場合,最小周期はおよそ700nm程度であった.シリコン基板上にレジストリフローによりレンズ形状を形成し,エッチングによりシリコン基板にレンズ形状を転写した.電子線描画の深い焦点深度を利用して,シリコンレンズ曲面にサブ波長格子を製作した.レンズ曲面の中心付近および周辺部においてサブ波長格子を精度よく製作できた.モールド加工については,ポリマーをほっとエンボス法によりシリコンモールドに流し込み,100nmレベルの周期構造を転写した.また平面シリコン基板に,最初にサブ波長格子を形成し,後に厚膜レジストのリフロー法によりレンズ形成し,深堀エッチングによりシリコンに無反射ナノ格子を備えたレンズを形成する方法についても実験を試みた.
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