研究課題/領域番号 |
16656050
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
國枝 正典 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (90178012)
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研究分担者 |
夏 恒 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (40345335)
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キーワード | 電解加工 / 電解液ジェット / マスクレス / ノズル / 電流密度分布 / 表面粗さ / 加工効率 / 形状制御 |
研究概要 |
電解液ジェット加工は電解液のジェット噴流直下に電流密度の分布が集中することを利用して、ジェットの当たる部分のみを選択的にマスクレスで電解加工する方法である。ノズルの走査を制御することにより流体軸受の微細溝、マイクロレンズアレイなど、凹凸がミクロンオーダあるいはナノメータオーダの微細形状が安価なシステムで効率よく加工できる。本研究に関して、16年度は、加工条件、特に電流密度が加工面の表面粗さに及ぼす影響を調べた。また、加工効率をさらに向上させるため、多数のシングルノズルから構成されるマルチノズルを考案し、ノズル間の距離や、ノズルと工作物とのギャップ長の短縮がジェット噴流間の干渉を引き起こし、加工特性に悪影響を及ぼす現象について調べた。その結果、1)電流密度を高く設定することで、加工速度だけでなく表面粗さも向上すること、2)ノズルの走査角度を調節することで様々な溝間隔の加工が1回の走査で行えること、3)ノズルの走査なしで一度に25個のピット加工を行え、加工効率を25倍向上させたことが分かった。しかし、マルチノズルを使用する際、以下のような点に注意しなければならない。すなわち、電解液の流れの干渉を受けずに加工を行うためには、ノズル間距離やタンク圧力、ギャップ長を最適な値に設定する必要がある。また、加工深さの均一性のためには、すべてのノズルのギャップ長を均等にするか、ギャップ長を長くしてギャップ長の不均一性の影響を低減する必要がある。 なお、16年度では、任意の3次元形状を加工する場合のノズル走査の制御方法として、単純溝の重ね合せによって複雑な形状を有する溝を加工する際の重ね合わせ係数を算出する方法を確立し、ノズルの走査速度の制御で実現できることを検証した。また、その方法の精度を加工実験により調べた。
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