研究課題/領域番号 |
16656075
|
研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
鈴木 健二郎 芝浦工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00026064)
|
研究分担者 |
矢作 裕司 芝浦工業大学, 工学部, 助教授 (60265973)
|
キーワード | 超希薄 / マイクロ / 燃焼器 / SOFC / アフターバーナ / 小型分散電源 / 有害物質ゼロエミッション / 低レイノルズ数 |
研究概要 |
SOFCは多様な燃料が使用できる高温型燃料電池であり、主として空気冷却を施す目的から、燃料電池に送入する空気と燃料の割合を理論空燃比の5-6倍として運転する。また、燃料電池は、燃料利用率を85%程度に留めて使用するので、アフターバーナーでは、燃料が理論混合比の30分の1程度の超希薄燃焼になる。分散電源では、毒性・刺激性成分の微量の排出も許されない。それゆえ、温度レベルが低い起動時や負荷変動時にも火炎を安定化させ得る超希薄燃焼器の開発が重要である。本研究は、低レイノルズ数、超希薄条件においても火炎の安定化に有効な小容量電源用ペン型マイクロ燃焼器を試作し、その安定限界を調べ、3次元循環流や迅速な混合のあり方を計測し、数値解析を施して、この燃焼器の有効性と有効となる現象的背景を明らかにすることを目的とする。 本年度は、3種類の研究を行った。その中の2種類は実験的研究であって、第1の実験的研究では(1)拡大モデルを製作し、これを用いて燃焼器内の等温流の可視化実験を行った。その結果、バッフル板中央の燃料孔からの燃料噴流流速とその周囲部に環状に配置された空気孔からの空気噴流の流速比が循環流の形成に影響することを明らかにした。第2の実験では、(2)実器寸法の透明燃焼器を製作し、PIVを用いてこの燃焼器内の流速および乱れ強さ分布の測定を試みた。燃焼器壁で生じる屈折に伴う映像の歪みから定量的分析が容易でないが、流速条件による燃焼器内流れの変化が顕著であることが明らかになった。(3)第3の研究は数値解析的研究であって、燃焼器内流れのLES(Large Eddy Simulation)に成功し、その結果から、バッフル板中央の燃料孔からの燃料流流速の大小が、バッフル板下流の循環流の寸法と空気流との混合過程を支配すること、燃料流速が空気流速の2倍程度が最適であること、を明らかにした。
|