研究課題/領域番号 |
16656089
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
引原 隆士 京都大学, 工学研究科, 教授 (70198985)
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研究分担者 |
舟木 剛 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20263220)
薄 良彦 京都大学, 工学研究科, 助手 (40402961)
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キーワード | 電力系統 / シミュレータ / ハイブリッド / 過渡安定性 / 直流送電 |
研究概要 |
電力自由化や多様な分散電源の導入などが進んだ将来の電力系統において、生起する物理現象とそれに対する制御手法の実験的検討は必要不可欠である。本研究は、次世代電力系統の実験的解析ツールであるハイブリッド形電力系統シミュレータの開発を目的にしている。本目的達成に向けて、平成17年度は以下に示す研究成果を挙げた。 1.ハイブリッド形電力系統シミュレータの動的性能の過渡安定性解析に基づく評価アプローチを提案した。具体的には、ハイブリッド形シミュレータの性能評価が、系統解析モデルである非線形力学系の大域構造および構造安定性の観点から可能であることを示した。本提案アプローチにより性能評価を受けたハイブリッド形シミュレータでは、解析対象とする物理現象の実験的検討が、そのメカニズムを含めて可能になる。 2.ループ形電力ネットワークにおける電力配分算出法の実験的検証に向けたハイブリッド形シミュレータを開発した。具体的には、発電機モデルをMATLAB/Simulinkを用いたソフトウェア要素として製作し、ループ形ネットワークをアナログリアクトルにより模擬するとともに、両者をAD変換器ならびに電源アンプを介して結合することで、シミュレータを構築した。そして、本シミュレータにより、これまでに研究代表者らが数値的検討を行ってきた電力配分算出法が実験的にも妥当であることを示した。 以上の研究結果は、次世代電力系統の解析技術ならびに運用手法に向けて、基礎的でかつ重要なものである。本年度の研究を通して、次世代電力系統解析に向けたハイブリッド形電力系統シミュレータの開発とその有用性を検証することができた。
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