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2005 年度 実績報告書

交流電動機速度センサレスベクトル制御システムの新設計手法

研究課題

研究課題/領域番号 16656090
研究機関青山学院大学

研究代表者

林 洋一  青山学院大学, 理工学部, 教授 (90093939)

キーワード位置・速度センサレス / 誘導電動機 / 永久磁石同期電動機 / 適応オブザーバー / 瞬時値ベクトル / ベクトル制御 / 交流電流センサレス
研究概要

本研究は、誘導電動機および永久磁石同期速度の速度センサレス制御系の解析に瞬時値ベクトルを用いることにより得られた簡便で分かり易い制御系設計手法が、実システムに適用できるかどうかを実験的に確かめるとともに、その過程で明らかとなる各種問題点を解決することを目的とした。その主な結果は以下の通りである。
1.実験により、新しい手法により設計した誘導電動機および永久磁石同期電動機の速度センサレス制御システムは基本的に実用レベルの性能を持つことが明らかとした。
2.制御系の設計においてはモータのモデル化を如何に正確に行うかがキーポイントとなるが、モータモデルを複雑にすると、提案手法の利点が損なわれる。そこで、適応オブザーバーには簡単なモデルを用い、これで考慮しないもの(インバータのデッドタイムによる電圧制御誤差、電動機の鉄損、永久磁石による誘起電圧の高調波成分など)についてはフィードフォワードによりキャンセルする構成としたが、実験によりその有効性を検証することができた。
3.永久磁石同期電動機のモデル化では、電機子インダクタンスの磁気飽和が最も大きな問題となった。そこで、モータを拘束せずにd軸、q軸での励磁試験を行う手法を開発し、磁気飽和を考慮した電機子インダクタンスの近似式を求めて制御系に組み込んだ。この結果、広い速度および負荷範囲で安定な運転を実現することができた。
4.誘導電動機のモデル化では、励磁インダクタンスの磁気飽和および鉄損の影響が問題となった。そこで、これらを正確に把握するための測定手順を検討し、励磁電流と励磁インダクタンスおよび鉄損との関係の近似式を求めて制御系に組み込んだ。この結果、励磁電流の変更に対しても安定な運転が実現でき、また、広い速度範囲で速度推定誤差を低減することができた。
5.開発した速度センサレス方式は即応性の高い速度推定特性を持ち、コンプレッサ制御に適用した場合には負荷トルク変動による周期的な速度変動をも検出できる。これを利用してバンドパスフィルタを用いた速度制御系を考案し、周期速度変動を抑制できることを確認した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Analysis and Design of an IPMSM Speed Sensor-less Vector Control System Using an Adaptive Observer2005

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Hayashi
    • 雑誌名

      Proceeding of IPEC-Niigata 2005 S72

      ページ: 2205-2212

  • [雑誌論文] 1シャント抵抗方式における交流電流演算とリップル補正による波形歪改善方法2005

    • 著者名/発表者名
      福本哲哉
    • 雑誌名

      電気学会半導体電力変換産業電力電気応用合同研究会資料 SPC-05-09

      ページ: 1-6

  • [雑誌論文] PMSM速度センサレス制御の実用上の諸問題とその対策2005

    • 著者名/発表者名
      栗田知美
    • 雑誌名

      電気学会半導体電力変換産業電力電気応用合同研究会資料 SPC-05-102

      ページ: 19-24

  • [雑誌論文] 誘導電動機速度センサレスベクトル制御における速度推定不能領域での運転継続法の検討2005

    • 著者名/発表者名
      内藤充貴
    • 雑誌名

      平成17年電気学会産業応用部門大会講演論文集 第1分冊

      ページ: 307-308

  • [雑誌論文] 圧縮機用PMSM正弦波位置センサレス駆動におけるBPFを用いた周期速度変動抑制法2005

    • 著者名/発表者名
      福本哲哉
    • 雑誌名

      平成18年電気学会全国大会講演論文集 第4分冊

      ページ: 194-195

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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