研究課題/領域番号 |
16656107
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹田 美和 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20111932)
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研究分担者 |
田渕 雅夫 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (90222124)
大渕 博宣 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40312996)
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キーワード | 量子ドット / 白色LED / 有機金属気相成長法 / III-V族化合物半導体 / 液滴ヘテロエピタキシー法 / 発光素子 / 受光素子 |
研究概要 |
量子ドットはδ関数的な状態密度を持つことから鋭い発光スペクトルが得られ、その発光波長はサイズや組成によって変化する。従来の量子ドットに関する研究では、サイズ・組成を均一化すること鋭い発光を得ることを目的とされることがほとんどであった。しかし、我々は逆転の発想でサイズや組成を広範囲かつ連続的に変化させた量子ドットを同時に形成することで、超広帯域の発光スペクトルをもつ白色発光素子、さらに広帯域の感度を有する受光素子の実現できることを見出した。そこで本研究では、有機金属気相成長装置による液滴ヘテロエピタキシー法により量子ドットの形成を行った。液滴ヘテロエピタキシー法では、非常に広いサイズ分布を有したドット構造が形成される。 この方法で形成したGaAs上、もしくはGaInAsP上にInAs量子ドットを利用することで、950nmから2200nm以上までの超広帯域発光を電流注入により得ることに成功した。さらに、発光を可視域に拡張するためにGaInP上InP量子ドットの作製にも取り組み、ブロードなサイズ分布を持つInP量子ドットの形成にも成功している。さらに、量子ドットがアニール効果により粗大かする性質を利用して、量子ドットを数回に分けて形成することで、より広いサイズ分布を得ることにを見出し、これによりさらにブロードなサイズ分布を得ている。 今後の課題として、発光強度の増大、また受光素子への展開のために、量子ドットの多層化を行う。
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