研究課題/領域番号 |
16656117
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 豊 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00135526)
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研究分担者 |
河野 浩之 南山大学, 数理情報学部, 教授 (70224813)
川原 稔 愛媛大学, 総合情報メディアセンター, 助教授 (50224829)
増山 博之 京都大学, 情報学研究科, 助手 (60378833)
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キーワード | 送信誤り回復 / ARQ / FEC / リアルタイム送信 / QoS |
研究概要 |
平成16年度に関しては次のような研究成果が得られた。 1.実時間制約の強いコンテンツをQoS保証しながら円滑に送信するには、そのパス上でのパケット廃棄確率、RTT(Round Trip Time)、スループットを計測する技術、さらには事前にこれらを性能予測する方法論の確立が急務である。バースト性のあるトラヒックがルータなどで交換される場合、および受信側バッファで動画像情報に復号する場合などでは、一時的な輻輳によるQoSの劣化が大きな問題であるが、従来は定常状態を仮定した解析評価が行われてきたが、より精密な議論をするためには過渡状態の解析をする必要がある。このための基本モデルの提案を行った。 2.イントラネットのようにRTTが大きく変動しない状況においては典型的には50〜100ms程度であることが、これまで計測されているが、この場合における実時間制約の強いコンテンツに向けたreactiveな送信誤り制御を開発し、その性能評価を行った。制約を例えば250msとする場合には再送が可能になり、これにより通信品質が改善される度合いを定量的に評価する方法論を開発した。Reactiveな再送を併用することで、FECによるオーバヘッドを削減でき、帯域を節約できることが判明した。ARQとしてはSelective Repeatを基本とし、再送回数の上限を考慮し、マルチキャスト環境で再送リクエストがネットワークの輻輳を防ぐ工夫を凝らせた手順も議論した。またARQが十分機能しない場合にはFECにより誤り回復を補完することが可能であり、ネットワーク環境に応じた最適な組み合わせを導出できる方法論の確立とその評価を行った。
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