研究課題
1.パルス数変換を用いた光アナログ-ディジタル変換技術の研究パルス数のハンドリング技術は光アナログ-ディジタル変換の基盤技術として重要である。本年は、ファイバ中における自己位相変調またはソリトン効果によって変形したスペクトルを、アレイ導波路形回折格子を用いてスライスし、ファイバへの入射光電力に依存した数のパルスを得る電力制御型のパルス数変換法を提案し、グレイ符号に基づく2ビットの光量子化および光符号化の原理確認実験を行った。実験結果より、光ファイバの非線形性を利用することにより出力パルス数の操作が実現できることを確認し、提案方法の妥当性を示した。2.光スイッチの多段接続による光ディジタル-アナログ変換技術の研究従来の光D/A変換では、シリアル-パラレル変換された複数パルスからなる光ディジタル信号の光位相を一致させた後、光パルスのコヒーレントな加算演算を行う必要があった。しかし、光位相の調整は困難であり、位相調整が不要な光A/D変換法が求められていた。本年は、光スイッチを多段接続し、シリアル-パラレル変換された光ディジタル信号によって各スイッチの開閉を行う、位相調整が不要な光A/D変換法を提案した。また、光スイッチとして非線形ループミラーを用いた、2ビットのディジタル信号入力に対する原理確認実験を行った。実験結果より、光ファイバの非線形性を利用することにより出力パルスの振幅操作が実現できることを確認し、提案方法の妥当性を示した。3.ソリトン衝突時の相互位相変調による時間シフトの応用に関する研究「全光メモリ」、「全光バッファ」の実現には、信号光パルスの遅延時間を制御光パルスで制御する「全光遅延線」を実現する必要がある。本年は、異なる波長の光ソリトンがファイバ中で衝突する際に生じる時間シフトを全光遅延線に応用する方法を提案し、原理確認実験を行った。ソリトン同士の衝突では、衝突の前後でパルス波形が歪むことはないので、多数個のパルスとの衝突により遅延量を大きくすることができる。実験結果より、光ファイバの非線形性を利用することにより出力パルスの時間遅延量の操作が実現できることを確認し、提案方法の妥当性を示した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (7件)
IEEE Photonics Technology Letters 18(Accepted for publication)
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