研究概要 |
排水性舗装における目詰まり現象を評価するためには、その評価手法により路面下構造の透水特性をある程度定量的に評価できなければならない。現在、路盤透水試験機と呼ばれる試験機を用いた方法が提案されているが、本研究でもこの試験機を用いた新たな手法を提案した。本研究での基本的アイディアは、2つの異なるサイズの透水パッドによる透水実験を実施することによって、表層の透水係数と厚さを同時に決定できるというものである。 提案する透水係数および透水層厚決定法の妥当性を検討するため、まず室内において透水係数および透水層厚を種々変化させたモデル路面を作成した。モデル路面は、種々の粒径の砕石をエポキシ系接着剤によって固めることによって作成した。作成されたモデル路面は、通常の舗装面よりかなりポーラスであるため、まずそれらの透水特性を円柱供試体に対して確認した。 次に、モデル路面に対して透水パッド面積を2種類変化させて、一連の透水試験を実施した。実験においては円柱内に所定の量の水を満たし、その水面の時間的変化を観測した。透水係数が大き過ぎる場合は透水パッドの面積の影響が現れにくいこと、目詰まり状態に対応した状態では透水パッドの面積の評価が明瞭であること,また水面の変化に非線形性が強まることなどが分かった。 最後に、不飽和浸透流解析プログラムによってモデル路面に対する透水試験をシミュレートした。本プログラムによって透水試験結果を概略表現できることを確認できたが,一部のパラメータについてはその決定法などに関してさらに検討する必要のあることが分かった。
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