脆性材料を主な対象として材料特性への高速外力の影響が、衝撃力、航空機落下、地震外力などの方面で研究が進められ、高速物性の変化や「ひずみ速度効果」などの強度変化が報告されている。本研究の目的は、これらがある意味で見かけの挙動と考えられ、材料固有の特性ではなく、固体の共振特性に支配されている点を明らかにすることである。固体材料に高速外力が作用する場合、実際は波動場の問題で固体形状と入力波動の波長の関係により生じる共振現象に支配される。したがって、これまでに報告されている多くの事例は、実験での供試体形状に依存する現象にすぎないと考えられる。これは従来の知見とは異なる概念であり、この観点から材料の特性と波長との関係を解明した研究が認められないため、高速物性と衝撃破壊について以下のような2項目について基礎的な研究成果を収集した。 1)材料物性と破壊に関する入力周波数の影響データの収集 材料物性と破壊が入力周波数により変化する点について実験を実施した。対象としたのは寸法の異なるコンクリート供試体の圧縮破壊、曲げ破壊であり、入力は載荷装置による静的載荷と鋼球落下を主な外力とした。特に高周波数の入力に関しては、現有の載荷装置では困難が予想されるため、境界要素法(BEM)による数値解析により検討を実施した。 2)衝撃破壊挙動と入力周波数の関係の解明 上記(1)の成果を固体の共振特性、特に、波長との関係でデータ整理した上で、資料収集を含めて研究の打合せを実施した
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