平成16年度研究実績: 1.降雨の統計的性質の抽出 本年度では、降雪の影響を受けない香川県内のすべてのアメダス地点の10分間雨量データを用いて、10分雨量から20分雨量、20分雨量から40分雨量を求め、順次スケールアップし、前半の部分の占める割合の頻度分布の特性を抽出した。 2.降雨強度の正確な測定 AMeDASの雨量観測ネットワークは0.5mmの転倒枡雨量計を用いているために、少雨時の雨量時系列が寸断され、降雨強度と降雨継続時間に関する正確な情報が得られない。これを克服するために、本学環境システム棟屋上に、従来型の雨量計に合わせ、降雨強度計を設置し、雨量の正確な観測を行い、これらのデータに対しても1.と同様な処理を行っている。 3.ランダムカスケードモデルの構築 上記で得られた降雨の統計的性質から、少雨から豪雨までを表現できるモデルを構築した。 4.3.のモデルを用いて河川流量の分布を算出する手法を提案し、香川県内にある一級河川土器河に適用した。その実用性を示した。 5.3.のモデルを用いて従来の基本高水流量算定に使われているカバー率について初めて理論的に論じて、ある程度その統計的な振る舞いを把握した。
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