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2004 年度 実績報告書

小学校の桜を化学物質の曝露指標とする開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 16656162
研究機関岡山大学

研究代表者

小野 芳朗  岡山大学, 環境理工学部, 教授 (50152541)

研究分担者 水藤 寛  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10302530)
キーワード小学校 / 桜葉 / 多環芳香族炭化水素類 / 石油燃焼起源 / 石油起源
研究概要

小学校には桜が植えられている。これらは全国に分布し、たいていの校庭には桜がある。小学生への大気曝露の代替指標として桜の葉を選んだ。そして、大気中の有害化学物質として、一部発ガン性が指摘されているものの、日本では規制が遅れている多環芳香族炭化水素類を選んだ。多環芳香族炭化水素類には、自動車排ガスや工場煙突など燃焼に伴う副生成物期限のもの、そして、アスファルトやタイヤ、エンジンオイル、ガソリンなど、石油由来のものが起源として考えられている。もっとも有害物質の影響を受けやすい子供の、集積する場である小学校に曝露される多環芳香族が、由来が何で、その量はどれほどかを明らかにするのが、本研究の目的である。
本年は、岡山市内91カ所の小学校のうち、地域分布を考慮し、都市部と山間部、ならびに道路近傍を勘案して21の小学校を選択した。それぞれの小学校にある桜の葉を毎月、採取し、その多環芳香族炭化水素の濃度、ならびにEROD活性の測定を試みた。EROD活性に関しては、ポリフェノールの含有量が多く、かつ葉脈繊維の多い桜では、正確な値を定量しがたいことがわかった。そこで、モニタリングの中心を多環芳香族炭化水素にしぼった。この濃度分布から、都市部の桜葉中に比較的多く多環芳香族が含有されることがわかったが、これが燃焼由来の副生成物であるのか、あるいはオイル由来のものかを検討した。道路近傍の桜葉から、これらと自動車交通量の間に明確な相関は得られなかった。そこで、多環芳香族炭化水素類の比率から、オイル由来よりも燃焼由来の可能性が高いことが明らかとなった。さらにオイルに含まれているホパン類の分析を通して、桜葉中に存在しないことから、燃焼由来副生成物であることがほぼ推察できる。その発生源は、自動車のような移動発生源よりも、工場地域で高い濃度で検出されることから、工場煙突のような固定発生源の可能性が高い。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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