研究課題/領域番号 |
16656169
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福和 伸夫 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (20238520)
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研究分担者 |
飛田 潤 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (90217521)
中野 優 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助手 (40314041)
飯場 正紀 国土技術政策総合研究所, 建築新技術研究官
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キーワード | 強震観測 / 強震計 / 半導体センサー / 廉価 / ネットワーク / 精度検証 / 高密度強震観測 / 耐震性能 |
研究概要 |
半導体センサーを強震観測用に改造し、小型で従来に比べ著しく低価格な強震観測センサーを開発する。このセンサーはネットワークインターフェイスを備え、建物内のLANにより接続して超高密度観測を行うこと、あるいはインターネット接続を利用して安価に多地点での計測を行うことができる。前者は、一般建築物の高密度強震観測による地震時挙動や耐震性能解明のため、後者は各家庭レベルへの普及を通じて地震応答への意識啓発や、レスキュー・耐震性能保証用センサーとしての利用が考えられる。今年度は、以前から継続してきた廉価強震計の開発・テストを行った。また、既存のネットワーク接続可能なインターネット強震計を用いた建物内高密度リアルタイム振動監視システムを構築し、運用テストを行った。 開発している半導体センサー強震計は、3成分、分解能1Gal以下、プレトリガー10秒以上、測定範囲±1〜1.5G、長時間の波形記録に加えて計測震度・SI値の出力機能や連動機能をもち、ネットワークインターフェイスを備えて、直接インターネットなどに接続して観測・データ収集を行うことができるものである。 センサー単体の特性試験を行った後、実際のテスト用の地震計により通常の強震計と並列観測試験を行い、波形記録の精度、刻時精度や起動の確実性などについて検討した。結果として、良好な観測条件のもとで十分な性能が確認できている。 インターネットとの接続に関しては、従来のネットワーク接続可能な強震計を用いて、グローバルアドレスを付与してサーバーからセンサーを操作できる形式と、グローバルアドレスなしでセンサー側からサーバーへ転送する形式をテストしている。前者はネットワーク環境が整っている際に、後者は家庭レベルなどで多数の地点に展開する場合に適用される。次年度は実際の観測体制におけるテストと、将来に向けての仕様検討などが主となる。
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