研究概要 |
・前年度の客観解析による各気象官署上空での風向・風速と,気象官署位置での地上での同時刻の風向・風速観測記録との間の相関解析結果にもとづき,確率統計的換算資料を取りまとめた。 ・各気象官署を台風の支配する地域(台風地域)、台風と非台風の混合支配地域(混合地域),および非台風の支配する地域(非台風地域)に分類した。 ・前年度求めた年間発生数,中心気圧低下量,台風移動速度,最大旋衡風速半径等の諸パラメータの統計的回帰式に基づき,台風地域および混合地域において、5,000年間の台風シミュレーションを実施し、上空でのFriction Free Windの風向・風速を算定した。 ・台風地域および混合地域にある気象官署において、Friction Free Windの風向別地表面風速への確率的換算を行ない,地表の風向・風速に換算した。 ・非台風地域および混合地域における温帯低気圧や冬季の季節風での日最大風速を,成因別に分類し,それらの極値解析結果に基づいた成因別再現期間値の算出を行って、それぞれ特有の風速場、風向特性を解析した。 ・任意の地点における擬似気象データを作成するため,台風場の客観解析結果、風向・風速2変量相関表、地表面粗度による風速増減率などの成果を基に、台風シミュレーションにより得られた上空の風速・風向データを任意の地点の地表付近での風向・風速値に確率統計的に換算した。 ・これらの結果を基にして日本各地における風向別設計風速の算出を試み,風向係数の検討を行った。 ・日本だけでなく,アジア地域での気象記録,特にインド,ベトナム,中国での風観測記録の収集を行い,上記と同様の検討のための資料を整えた。
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