研究課題/領域番号 |
16656181
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高田 光雄 京都大学, 工学研究科, 教授 (30127097)
|
研究分担者 |
三浦 研 京都大学, 工学研究科, 助手 (70311743)
|
キーワード | シナリオ・アプローチ / 住民参加 / ニュータウン / 再生 / 意思決定支援 / まちのシナリオ / 個人のシナリオ / ワークショップ |
研究概要 |
本研究では、建物の老朽化や居住者の少子高齢化が進み、現在、衰退を余儀なくされているニュータウンの再生に向けて、居住者の主体的参加による問題解決と有効な意思決定を促す支援ツールとして、シナリオ・アプローチによる居住者参加型のニュータウン再生システムを開発することを目的とする。 今年度の研究実績は以下の通りである。第一に、調査対象団地及びシナリオ・アプローチに関する予備的調査を行った。ニュータウンの概況、計画論、再生に関する既往研究を分析・整理し、調査対象団地の構造と問題を整理した。また、シナリオの作成方法、及び、様々な分野におけるシナリオ・アプローチの手法を総合的に分析・整理し、ニュータウンの再生に適用する際の課題を整理した。 第二に、シナリオ・アプローチによるニュータウン再生手法の検討を行った。シナリオの記述・整理方法の検討と、都市レベル(まちのシナリオ)、個人レベル(個人のシナリオ)両方の手法を用いたシナリオ・アプローチによるニュータウン再生手法の検討を行った。 第三に、「まちのシナリオ」の作成を行った。調査対象団地の起こりうる未来を、3次元モデルリングソフトを用いたCGを活用してストーリー形式で描いた「まちのシナリオ」を複数作成した。なお、不備のないシナリオ作成のためには、社会の変化に詳しい様々な有識者やニュータウン居住者へのインタビュー調査に加え、調査対象団地に関連する文献から情報を得た。 第四に、「個人のシナリオ」の作成とその効果の検証を行った。居住者が「まちのシナリオ」に描かれた未来が訪れたときに、いったいどのような生活をしていたいかをそれぞれストーリー形式で描いた「個人のシナリオ」の作成を、実際のニュータウンにおける団地再生ワークショップの中で行い、その有効性と課題について検討した。
|