1.「使琉球詩」の収集 ・歴代冊封使やその従客の残した漢詩作品集を可能な限り網羅的に収集する作業を行い、次のような史料を収集した。 蕭崇業・謝杰『皇華唱和詩』、胡靖『中山詩集』、汪楫『観海集』、徐葆光『奉使琉球詩』、周煌『海山存稿』、王夢樓『海天遊草』、趙文楷『槎上存稿』、李鼎元『師竹斎集』。 ・以上の作品集のほか、使琉球録に掲載された詩、沖縄各地に残された書跡など、既知の史料はもちろんのこと、未知の作品集などの発掘に努め、下記の冊封使やその従客の作品を収集した。 胡靖、汪楫、林麟〓、海宝、徐葆光、全魁、周煌、王夢樓、趙文楷、李鼎元、寄塵、陳邦光、齊鯤、費錫章、林鴻年、高人鑑など漢詩を収集した。 2.「使琉球詩」の分析 ・2003年に発見した徐葆光『奉使琉球詩』は、質・量ともに「使琉球詩」の代表というべきものであって、この作品集を突破点とすべく、詳細な検討を行った。使琉球録はもとより琉球側の史料と比較・検証を行うなど、史料批判を徹底することによって史料としての有用性を示す作業を進め、有益な示唆を得ることができた。 3.「使琉球詩」データベースの構築 ・収集した「使琉球詩」を原本に使用された文字の通りに入力し、さらにさまざま属性を与えて、研究支援データベースを構築することを目標にデータ入力作業を遂行した。作品集については、蕭崇業・謝杰『皇華唱和詩』、胡靖『中山詩集』、汪楫『観海集』、徐葆光『奉使琉球詩』、周煌『海山存稿』、王夢樓『海天遊草』、趙文楷『槎上存稿』のデータ入力をほぼ完了し、残る李鼎元『師竹斎集』は次年度に入力する予定である。また作信州以外の漢詩については、収集にあわせて入力作業を進めた。 ・研究支援データベース構築のためにどのような属性をもたせるべきか、さまざまな視点から検討した。
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