X線共鳴磁気小角散乱法を実験手法として実証するための技術的な第一関門として、共鳴効果を利用したGI-SAXSと反射率の定量的な評価を試みた。これは磁気散乱因子が小さいため、その解釈にはすでに報告例のある磁気反射率測定との対応がつくような定量化の確立が必須であると考えるためである.ナノドット系の上記のよな手法の評価手法の確立のためのモデルナノドット構造として、Siキャップ中に埋めこまれたGeナノドットを用いた実験をSpring8およびPFでおこなった。ここでは構造的にSi層を磁気誘起層、Geナノドットを強磁性ドットに見立てたモデル構造である.通常ナノドット構造は反射率測定で考えられている平板的な構造とは程遠いにもかかわらず、反射率測定ではきれいな振動構造が確認される.今年度は上記モデル試料を用い、GI-SAXSのIPを用いた高ダイナミックレンジ測定による構造詳細評価を比較的ドーム型の形状が良く発達するMBE成長ナノドット系についておこない、これと並行してまず独立した反射率測定を試みた. これらを同時におこなう反射率-GI-SAXS同時測定光学系をSpring8においてビームタイムを確保して試みた.
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