研究概要 |
廃プラスチックを乾留させた際に発生する炭化水素ガスと超微細酸化物粒子の反応特性,発生水素量の定量化を目標として実験を行い、以下の知見を得た。 (1)廃プラスチック(RDF)を乾留することにより、H_2,CH_4,CO, CO_2が発生・検出した。CO_2の発生量に明確な温度依存性は確認されなかった。CO_2を除くH_2,CH_4,COの発生量は、いずれも温度の上昇に伴い増加したが、いずれの温度においてもCOの発生量が最大であった。400℃では、H_2,CH_4はほとんど検出されなかった。実験開始後10分でのH_2とCOの発生量の比は、600℃では1:3であったが、800℃では1:2、1000℃では1:1となり、H_2発生量の温度依存性は大きい。実験開始後10分でのCH_4とCOの発生量の比は、600℃では1:2、800℃では3:4、1000℃では3:4となり、800℃でほぼ一定値となった。以上のように、熱分解を十分に進行させH_2を発生させるためには800度以上の高温が必要であることが確認された。 (2)試薬Fe_2O_3粉末とRDFを混合し1000℃,1300℃,1400℃に保持した際にH_2,CH_4,CO, CO_2が発生した。1300℃,1400℃では、反応開始直後にH_2発生量のピークが確認された。1000℃では、反応開始後約4分にH_2発生量のピークが確認された。反応開始後5分以降では、H_2発生量に反応温度による差異は確認されなかった。COの発生量に関しては、1300℃,1400℃に差はなく、1000℃の約2倍程度であった。CH_4,CO_2の発生量は、1000℃では反応開始後3〜5分にピークを持つが、1300℃,1400℃では反応開始直後にピークを持ち発生量も微量であった。
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