研究課題/領域番号 |
16656260
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
根来 誠司 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 教授 (90156159)
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研究分担者 |
武尾 正弘 兵庫県立大学, 大学院工学研究科, 助教授 (40236443)
服部 正 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 教授 (70326297)
内海 裕一 兵庫県立大学, 高度産業科学技術研究所, 助教授 (80326298)
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キーワード | マイクロリアクター / Micro-TAS / ノニルフェノール / 内分泌攪乱物質 / 酵素免疫測定 |
研究概要 |
近年、マイクロマシン技術を用いたマイクロリアクターやMicro-TAS(Micro Total Analysis Systemの略称。ポンプ、バルブ、センサなどを小型化・集積化した化学分析システム)と呼ばれるシステムの開発が進んでおり、その進展にはめざましいものがある。しかし、2次元平面内にシステム構造が展開されているため、次の様な問題点を有している。1)各単位操作のステップ毎に平面流路が必要となり、流路の集積化に限界がある。2)流路径に比して長い流路長を要し、装置全体を小型化しにくい。3)目的反応に応じた個別の流路設計が必要で、検出器設置部位が異なるため、多検体・多項目分析に対応しにくい。 本研究では、上記の問題に対応し得る新規マイクロ流体デバイスとして、垂直方向に多段の単位化学反応が可能な積層型マイクロリアクターを提案・作製し、本概念によるノニルフェノールの免疫的高感度分析について検討した。 まず、縦方向に多段の単位化学反応操作が可能な積層型マイクロリアクターを提案・製作した。本リアクターは、内径3mm高さ5mmの反応槽3段から構成される。また、各槽はマイクロ流体フィルター[直径3mm厚さ200μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)製フィルターに、約1900個の40μm径の円形貫通孔を有する]により、区切られた構造を有する。水送液実験から、数kPaの空気加圧により、送液の制御が可能であることが確認できた。さらに、内分泌攪乱物質ノニルフェノールの酵素免疫測定(ELISA)を本リアクターで行うため、ポリスチレンラテックスビーズ上に抗ノニルフェノールモノクローナル抗体を感作し、競合法ELISAを原理として評価した。ノニルフェノール濃度が0.1μg/Lで競合が観察され、マイクロプレートを用いた従来法に比べて、10倍以上の高感度が得られた。
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