1.コンピュータシミュレーションによって得られたレーザーアレーの回折構造計算結果の実験による実証。 光の波動の方程式の回折積分を数値的に行うコンピュータシミュレーションにより、矩形に並べられたレーザーアレーの、近方場・遠方場での光強度分布を実験的に検証するために、単一のマスターレーザーから発せられた光をグリッドで幾何的に分割して、コヒーレントレーザーアレーを模擬し、ピッチとビームパターン、ビーム品質などの相関を検証した。その結果、単一のレーザーからの光は理想的な可干渉光であるためシミュレーションの結果を実証するのに非常に有益であり、大変良い一致を得られた。この検証によって、本研究で開発したコンピュータシミュレーションコードが精度よく強度分布を再現していることも示された。 2.ヒーレント結合ビームの伝送実験に必要なシステムを構築する上で、実際的な技術課題の洗い出し。 外部共振型コヒーレント結合系を作成するために、半導体レーザー射出面の無反射コーティングを行うシステムの構築を試みた。レーザー表面にSiOの膜を蒸着させ、レーザーの発振強度をモニターしながら、ちょうど共振が最弱になるタイミングで、膜の生成を打ち切った。しかし外部共振器で共振させたところ、元のレーザーの共振が強く残ったままであった。膜生成を打ち切るタイミングがうまく取れていないものと考えられる。
|