研究課題
本研究の目的はLaser Supported Detonation(以下LSDと称す)を実験的に実現することである。LSDとはプラズマ化した気体にレーザー光を照射し、プラズマが吸収したエネルギーにより、衝撃波がその背後のエネルギー吸収帯(衝撃波によって電離した気体からなる)とともに自走する現象である。また、その伝播速度は10000m/sに達するため、外部から照射されるレーザー光を用いて発生させたLSDにより気体(推進剤)を加速すれば、少ない推進剤で大きな推力を得ることができることが知られているが、未だこれを実現した研究報告は存在しない。本研究では、これを実証することにある。これを実証するためには気体を何らかの方法でプラズマ化させ、それにレーザーを入射させることが必要である。今年度は、気体をプラズマ化させLSDを生じることができる条件を実現することとした。具体的な研究実績は以下のとおりである。1)CFDとの比較検討も考え、比較的電離しやすいアルゴンを試験気体とした。2)レーザーを照射する前にアルゴンをプラズマ化する方法を種々検討した。3)その結果、水素・酸素混合気によるデトネーション駆動衝撃波管の利用によって強い衝撃波をアルゴン中に発生させ、その背後にプラズマを生成できる方法を考案した。4)上記方法を実現する装置を製作し、実験を行い、現存する強力なパスル炭酸ガスレーザーを用いればLSDを達成しうると予想される最低入射衝撃波マッハ数11.2を十分越える12.7の強い衝撃波を発生させることに成功した。5)4)の結果を踏まえ、LSD実証実験を行うための実験装置を設計、製作した。以上により、今年度の予定をほぼ達成することができた。
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第36回流体力学講演会講演論文集
ページ: 121-124
Proceedings of the 5th Korea/Japan Joint Workshop on Aeronautics and Astronautics,2004 (印刷中)
Proceedings of 24th International Symposium on Shock Waves, held at Beijing, China, on July 11-16,2004 (印刷中)
Proceedings of 55th IAC, Vancouver, Canada, Oct.4-8,2004,IAC-04-S.5.09. (印刷中)