研究概要 |
飼育下におけるネズミイルカの鳴音の収録 B & K社製水中マイク8103型および他の研究経費にて開発したマイクアンプ試作器を用いて,サンプリング1MHz,量子化ビット数16bitにてネズミイルカ鳴音を収録する手法を確立し,2005年3月2日に小樽水族館にてネズミイルカ鳴音の収音を行った。 ネズミイルカの鳴音の多様性について 上記の鳴音および,2004年4月に臼尻水産実験所屋外水槽,2004年8月20日〜9月3日に小樽水族館にて収録した鳴音について,LPC分析を用いてクリック音のピーク周波数抽出を行い,その時系列変化を解析した。 その結果,1クリックの間に鳴音の周波数に変化が見られた。コウモリと同様の周波数変調された音をエコロケーションに使用している可能性が示唆された。 ネズミイルカの鳴音のクリックインターバルと行動の関係 2005年4月に臼尻水産実験所屋外水槽にて,給餌時の鳴音を収録した。同時に行動をビデオカメラにて収録し,目標物へのアプローチ行動と鳴音についての関係を調べた。その結果,クリックインターバルは2msおよび5msにピークを持った。これはエコロケーションで4mおよび1.5mに認識の照準をおいていることに相当する。ビデオ映像の解析より餌が提示されているときは餌の4m手前にて遊泳周回行動が変化していた。このことより,クリックによる認識が行動に影響を与えていることが強く示唆された。
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