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2004 年度 実績報告書

鏡像体は異常か正常か-発生拘束の進化学的検証

研究課題

研究課題/領域番号 16657068
研究機関信州大学

研究代表者

浅見 崇比呂  信州大学, 理学部, 助教授 (10222598)

キーワード形態計測 / 左右 / 巻貝 / 発生拘束 / 進化
研究概要

これまでの研究により確立したモノアラガイの左右巻型変異系統を用い、右巻遺伝子のホモ接合体DDと左巻遺伝子のホモ接合体ddを交雑し、Ddを得た。左右極性は母親の核遺伝子型が決定する。ゆえに、ddが産むDdは左巻になるが、DDが産むDdは右巻になる。この遺伝様式を活用し、両親の核ゲノムを共有し、巻型の遺伝子型も同一のDdでありながら、左右逆に発生する個体を作成した。殻の形を比較する方法の改善のために、2次元のデジタル画像を用いた計測システムを開発した。これにより、ノギスを用いての形態測定と比べ、測定の効率と精度が著しく向上した。だが当然ながら、殻を撮影する時点での殻の置き方に依存して2次元画像の形は大きく変化するため、この殻の置き方を常時容易に再現できることを条件として本システムが再現可能な測定値をもたらすことを統計解析により確証した上で用いた。基本的に、従来の測定により検出された左右巻型間の形の相違は同様にデジタル解析においても確認されたが、全体の傾向として、各測定値の分散が減少し、統計的に有意な平均値の差異が検出される頻度が減少していることが本研究によりあきらかとなった。この結果は、デジタル画像による測定値の再現効率の向上に大きく依存していると考えられる。そのため、従来の測定値をもとに議論されてきた発生拘束の量的な程度は、測定方法に依存することを示唆している。今後は、このデジタル画像による測定方法の改良と3次元画像による形態計測により得られる結果と照合することが新たな課題としてうきぼりになった。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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