研究課題/領域番号 |
16658008
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
三宅 博 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (60134798)
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研究分担者 |
谷口 光隆 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40231419)
川崎 通夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30343213)
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キーワード | in situハイブリダイゼーション / LHCPII / 金コロイド / 走査型電子顕微鏡 / プロテインボディ / mRNA / 免疫電子顕微鏡 / Rubisco |
研究概要 |
1.超薄切片の作製が不可能である硬質のイネ完熟種子を用いて、割断面に金コロイド標識抗体を処理し、走査型電子顕微鏡で観察して貯蔵タンパク質の分布を観察する方法を検討した。抗体反応条件および洗浄条件を検討することにより、プロテインボディIIに局在するグルテリンに対する抗体を、特異的にプロテインボディIIに結合させることができるようになり、免疫走査電子顕微鏡法の確立に向けて大きく前進した。 2.イネ植物体を用い、水耕栽培にて塩ストレスとしてNaClを処理し、in situハイブリダイゼーション(ISH)法でRubisco小サブユニット遺伝子(rbcS)の発現変化を調べた。葉身が抽出した以降ではrbcSは葉肉細胞のみに発現し、発現の強度は齢の若い葉身基部ほど強く、先端部では弱く、完全展開用の先端部では発現は認められなかった。塩ストレス処理により、齢の進んだ部位から先にrbcSの発現は消失した。したがってISH法はストレスの影響解析にも有効であることが確認された。 3.NADP-ME型C_4植物であるトウモロコシでは、塩ストレスによって維管束鞘葉緑体には本来形成されないグラナが形成されることが、これまでのわれわれの研究で明らかになっている。グラナ形成に関与するといわれるLHCPIIのmRNAプローブをイネのcDNAより作製し、塩ストレスを処理したトウモロコシの維管束鞘細胞におけるLHCPIIの発現の変化をISH法で調べた。塩ストレスによりLHCPIIの発現は葉肉細胞、維管束鞘細胞ともにいったん低下するが、維管束鞘葉緑体にグラナが形成される頃になると維管束鞘細胞におけるLHCPIIの発現が顕著に増加することが明らかになった。 4.金コロイド標識プローブを用いる電子顕微鏡レベルのISH法を検討したが、まだ成功には至っておらず、次年度の課題である。
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