研究課題/領域番号 |
16658020
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
曵地 康史 高知大学, 農学部, 教授 (70291507)
|
研究分担者 |
木場 章範 高知大学, 農学部, 助教授 (50343314)
大西 浩平 高知大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (50211800)
|
キーワード | oxolinic acid / 耐性 / Burkholderia glumae / 生存適応能力 / キノロン系薬剤 |
研究概要 |
圃場から採集したoxolinic acid耐性を示すイネもみ枯細菌病菌Burkholderia glumae分離株のoxolinic acid耐性は、oxolinic acidの作用部位であるGyrAタンパク質の83番目のアミノ酸残基(GyrA83)に依存しており、GyrA83は感受性株ではSerであったが、OA中度耐性株と高度耐性株ではそれぞれArgとIleであった。しかし、in vitroにおいて1/10^8〜1/10^9の確率で感受性株からoxolinic acid 2μg/ml存在下の培養で自発的に出現したoxolinic acid耐性株のoxolinic acid耐性は必ずしもGyrA83に依存せず、81番目のアミノ酸残基の置換によってoxolinic acid耐性を示す株も認められた。さらに、GyrAの変異に依存しない耐性株も出現した。すなわち、B.glumaeのoxolinic acid耐性化にはGYrA83のアミノ酸置換以外の要因も関与するが、圃場分離株のoxolinic acid耐性にはGyrA83のアミノ酸置換が重要な働きを示すことから、GyrA83以外の要因によるOA耐性株は環境適応能の低下により、圃場において淘汰されるのではないかと考えられた。また、gyrB、rpoDおよびトキソフラビン生合成関運遺伝子toxAの塩基配列と、挿入配列IS1417をプローブとして用いたRFLPによる、OA耐性B.glumae圃場分離株の分子系統解析から、同一圃場において分離されたoxolinic acid耐性株は複数の系統に分かれること、年度を経て種子感染により伝播することが明らかとなった。
|