研究課題/領域番号 |
16658044
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70243087)
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研究分担者 |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
三原 久明 京都大学, 化学研究所, 助手 (30324693)
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キーワード | 低温菌 / 好冷菌 / タンパク質生産 / 宿主ベクター系 / プロモーター / ターミネーター / Shewanella |
研究概要 |
0℃付近の低温で生育する低温菌を異種タンパク質生産の宿主として利用することにより、熱安定性の低いタンパク質や代謝産物の高生産を目指すとともに、封入体形成を抑制する低温タンパク質生産システムの構築を目指した。今年度は南極海水から単離した低温菌Shewanella sp.Ac10を宿主とした、低温で使用可能なタンパク質高生産系の開発を目指した。本菌の全ゲノム構造をほぼ明らかにしており、この情報を利用して発現系の構築を行った。まず、本菌株が4℃で高生産するタンパク質を2次元電気泳動とペプチドマスフィンガープリンティングによって同定した。それらのタンパク質の遺伝子上流よりプロモーター領域をクローニングし、β-ラクタマーゼ遺伝子をレポーターとしてプロモーター活性を評価した。ベクターとして広宿主域コスミドpJRD215を用い、Escherichia coli S17-1との接合によって、Shewanella sp.Ac10にプラスミドを導入した。その結果、低温ショックタンパク質CspA、ペルオキシレドキシンAhpC、シャペロニンGroESLの遺伝子上流域に高いプロモーター活性が認められた。さらにATP合成酵素AtpC遺伝子のターミネーターを目的遺伝子下流に導入することで発現量の増加に成功した。これらのシステムを用い、β-ガラクトシダーゼの発現を試みた。その結果、ペルオキシレドキシンプロモーターを用いたシステムで、4℃で28mg/L-culture、18℃では120mg/L-cultureの生産に成功した。
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