研究課題/領域番号 |
16658070
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
服部 順昭 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (90115915)
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研究分担者 |
安藤 恵介 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (70262227)
村上 格二 (株)リコー, 画像技術開発本部, 課長研究員
磯貝 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40191879)
岡山 隆之 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (70134799)
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キーワード | コピー用紙 / PPC / レーザ / YAGレーザ / アブレーション / 輝度 / リユース |
研究概要 |
コピー用紙の使用量は複写機やレーザプリンターの普及により増加傾向にあり、地球温暖化や廃棄物処理問題などに影響を及ぼしている。 問題解決の一つにリサイクルがあり、実行されているが、脱墨や輸送に大量のエネルギーを要するなど、問題も多い。 そこで、オフィスなどの使用現場で廃コピー紙からトナーだけを除去し、リユースする手法の中から、紙とトナーの光の吸収率の差を活かしたレーザアブレーションを開発し、リサイクルによる環境負荷量を軽減しようとするのが本研究の目的である。 具体的には、パルス幅が4nsと非常に短いYAGレーザを用い、照射条件とトナーの除去状態の関係を調べ、レーザアブレーションによる廃コピー紙の脱トナーがどの程度有効かを3年以内に示す。 初年度はこれまで実施したパルス幅が1ms以上のYAGレーザとのアブレーション性能の比較を主に取り込んだ画像の輝度で行い、次の結果を得た。 レーザアブレーションによりトナーは概ね除去されたが、除去後の紙面には黄変が生じた。輝度は、どのトナーも除去後に200程度まで回復したが、元の紙の輝度である246までは回復しなかった。 SEMと機器分析により、NP-YAGでは、トナーはほぼ除去されたが、紙繊維の熱損傷が認められた。 AO・Q-YAGとEO・Q-YAGでは、紙繊維の熱損傷は認められなかったが、繊維にトナー樹脂が残っていた。パルス幅が本研究で購入した4nSと最も短いEO・Q-YAGでは、エネルギー密度が同程度でも、AO・Q-YAGに比べ、輝度が低かったことから、今後は、レンズを用い、パルス幅の短いEO・Q-YAGでフルエンスを高めた状態での実験を行う必要がある。
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