研究概要 |
本研究の目的は,ほ場内移動用の小型選果ロボットのプロトタイプを設計開発することにある。選果情報としては偏光フィルター付きカメラ複数台による果実全画面情報を中核とする。品質と等級の判別は,形状,質量,色,病害虫等による傷など,生産現場の評価基準に準じて実施するものとする。ほ場実験はピーマンやトマトなどの果菜類栽培ほ場で行い,位置情報と併せて,品質・収量マップの作成を試みるとともに,栽培履歴や品質情報の農産物付加システムの提案を行う。本研究は,選果ロボットの視角部及び果実の品質判定アルゴリズムの開発,車両搭載による移動型選果ロボットの開発,及び農産物IDラベリングシステムの三つの部分よりなり,それぞれ独自に進めながら,その研究成果を小型移動型選果ロボットの開発に統合した。 1)すでに試作してある偏光フィルタ付特殊照明とCCDカメラの組み合わせによるポータブルな果実全画面リアルタイム計測システムの改良及び機能調査実験を行い,ピーマンを試験果実として品質・等級判別のためのデータベース蓄積を行った。 2)コンパクトな移動用車両を試作改良し,屋外及び屋内における位置検出システムの基本構想を提案した。 3)果実全画面計測システムと果実ハンドリング部を移動用車両に搭載し,移動型選果ロボットのプロトタイプを作成する(近藤・澁澤)。 4)本庄PF研究会と連携して実施する農産物販売実験において,二次元バーコードを利用した農産物情報開示システムを調査し,移動型小型選果ロボット用の農産物IDラベリング方法を提案した。 6)以上の研究成果を第7回精密農業国際会議(2004年7月,米国ミネソ大学)にて発表した。
|