研究課題/領域番号 |
16658119
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾崎 博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30134505)
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研究分担者 |
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70211547)
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キーワード | 自然免疫 / NOD2 / TNFα / 腸炎 / TNBS / TLR4 / Toll like receptor / マクロファージ |
研究概要 |
昨年度はマクロファージ細胞株RAW264.7細胞を用いたNOD2の発現機構解析とTNBS誘発結腸炎モデルにおけるNOD2の発現パターンについて解析し、以下の2つの知見を得た。 (1)LPS受容体TLR-4とリンクしてNOD2遺伝子発現がマクロファージで亢進し、この亢進がTNFαのオートクライン作用を介して起こる。 (2)結腸炎症部の粘膜クリプト部位や筋層の一部において、TNBS投与2日目で明かなNOD2陽性細胞が認められ、クローン病患者の病変部と類似した発現パターンを示す。 本年度は、これらの知見を論文としてまとめるために、(1)では定量的解析を行うとともに、LPS刺激によって増加するNOD2遺伝子発現が、TLR4欠損マウス由来の腹腔マクロファージでは減弱すること、TNFα欠損マウス由来の腹腔マクロファージにおいてもLPSによるNOD2発現誘導が抑制されることを明らかにした。(2)に関しては、NOD2発現について経時的により詳細に検討したところ、TNBS投与4日目で最も発現が高く、その後も14日目まで有意な発現増加が認められた。また、NOD2発現と共にTLR2、TLR4、Myd88の発現亢進も認められたことから、腸内フローラの乱れから生じる炎症部へのエンドトキシン曝露が腸炎の病態発生に重要な役割を担っていることが明らかにされた。これらの知見を加えて、本年度は2つの論文を公表するに至っている。
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