研究課題/領域番号 |
16658122
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
増田 健一 独立行政法人理化学研究所, アレルギー制御研究チーム, 研究員 (40313077)
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研究分担者 |
辻本 元 国立大学法人東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
大野 耕一 国立大学法人東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90294660)
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キーワード | 肥満細胞 / イヌ / IgE / ヒスタミン / メタクロマジー |
研究概要 |
本研究に使用する肥満細胞腫細胞株を決定するために、さまざまな肥満細胞の特徴について検討を行った。犬肥満細胞腫細胞株4種類を用いて、肥満細胞であることを証明するために、肥満細胞の特徴をトルイジン・ブルー染色、電子顕微鏡検査、トリプターゼとKITの二重染色、抗イヌIgEポリクローナル抗体によるヒスタミン遊離能について検討し、最も肥満細胞の特徴を有している細胞株を検出した。犬粘膜型肥満細胞腫細胞株より限界希釈法により30クローンの細胞株を得た。それら細胞株の中には、トルイジン・ブルー染色においてはほとんどの細胞が単核円形の大型の浮遊細胞であり、染色強度にばらつきがあるもののメタクロマジーを示した。それら細胞においては電子顕微鏡検査においても、肥満細胞の特徴的顆粒構造である、電子密度の高い、渦巻状構造をとる細胞内顆粒を有していることがわかった。また、フローサイトメトリーにおいては、これら肥満細胞はトリプターゼおよびKITともに100%陽性の細胞集団であることがわかった。また、高IgEを有するイヌ血清とともに1時間培養した後、抗イヌIgEポリクローナル抗体で表面IgEの架橋を起こすと、添加する抗イヌIgE抗体の濃度依存性にヒスタミンを放出することがわかった。 以上のことから本研究に用いた犬肥満細胞腫細胞株はB細胞ではなく、肥満細胞であることが証明され、今後はこの肥満細胞腫株を用いて検討を行うことが可能であるといえた。
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