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2004 年度 実績報告書

犬の播種性血管内凝固症候群におけるトロンボモジュリンの動態ならびに治療薬への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16658126
研究機関日本大学

研究代表者

亘 敏広  日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (50220950)

研究分担者 山谷 吉樹  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (50267043)
鯉江 洋  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (20267040)
加納 塁  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00318388)
坂井 学  日本大学, 生物資源科学部, 助手 (90366625)
高橋 朋子  日本大学, 生物資源科学部, 助手 (10366627)
キーワードDIC / 犬 / トロンボモジュリン / 組織因子 / 塩基配列 / cDNA / 臓器発現
研究概要

平成16年度はまず日本大学付属動物病院に来院し播種性血管内凝固症候群と診断した腫瘍症例について検討した。その結果、全腫瘍症例208例のうちDICを発症した症例は20例であり全体の9.6%を占めていた。このうち血管肉腫が7例、乳腺腫瘍が4例と悪性腫瘍でDICの発症が多いことが示された。次に悪性腫瘍罹患犬におけるトロンビン-アンチトロンビンIII複合体(TAT)を評価し、悪性腫瘍症例における凝固亢進状態の把握を行った。この結果悪性腫瘍群では健常群、良性腫瘍群に比較して極めて高値を示し、悪性腫瘍症例は常に凝固亢進状態であることが示唆された。
また悪性腫瘍の中でも血管肉腫や造血器系腫瘍ではTATが著しく高値を示しており全例で凝固亢進状態にあることが示された。
次に組織因子(TF)のクローニングを行った。健常犬の肺からTotal RNAを抽出しcDNAを合成した後、PCR法にてTF遺伝子を増幅した。得られた断片をもとに塩基配列を解析し犬TFの塩基配列を確認した。犬TF cDNAは1813bpで292残基のアミノ酸をコードし、推測されたアミノ酸配列は他種と約56%から75%の相同性を示すことが明らかとなった。さらに悪性腫瘍症例6例について末梢血白血球からTotal RNAを抽出cDNA合成後、リアルタイムPCR法にてmRNAの発現量を解析したところ健常群に比較して有意に高値を示していた。この結果悪性腫瘍症例における凝固亢進の原因として白血球のTFの発現量の増加がその一つであることが示唆された。
いっぽう、犬のcDNAを用いてトロンボモジュリン(TM)遺伝子のクローニングを行った。その結果犬TM cDNAは1878bpで、578残基のアミノ酸をコードしており抗凝固作用に重要なEGF様ドメインは他種のそれと類似していた。また健常犬の各臓器におけるTM遺伝子の発現を検討したところ肺、肝臓、脾臓、腎臓、膵臓およびリンパ節など毛細血管に富む臓器で多く発現が認められた。この遺伝子配列の決定により犬組み替え型TMの作成のための貴重な情報が得られた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] The Incidence of Disseminated Intravascular Coagulation in Dogs with Malignant Tumor2004

    • 著者名/発表者名
      Haruhiko MARUYAMA, Manabu SAKAI, Toshihiro WATARI et al.
    • 雑誌名

      J.Vet.Med.Sci. 66.5

      ページ: 573-575

  • [雑誌論文] Molecular Cloning of Canine Thrombomodulin cDNA and Expression in Normal Tissues.2004

    • 著者名/発表者名
      Haruhiko MARUYAMA, Rui KANO, Toshihiro WATARI et al.
    • 雑誌名

      J.Vet.Med.Sci. 66.11

      ページ: 1423-1427

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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