研究課題/領域番号 |
16658127
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
長谷川 篤彦 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90011923)
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研究分担者 |
辻本 元 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (60163804)
加納 塁 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00318388)
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キーワード | 犬 / 猫 / 炎症性サイトカイン / 自然免疫 / Toll-like receptor (TLR) / TLR4 / TLR9 / cDNA |
研究概要 |
近年、免疫担当細胞に存在するToll-like receptor(TLR)が、ウイルス、細菌、真菌の遺伝子や菌体成分を認識することによって、細胞が活性化され炎症性サイトカインやケモカインの分泌を誘導している、またTLRは、その認識するリガンドによって現在11種(ヒト)認められ、TLRファミリーが知られている。その遺伝子がマウスおよびヒトでクローニングされている。その中でTLR2はグラム陽性細菌のペプチドグリカンやリポタイコ酸、Treponema maltophilumの糖脂質、Leptospira interrogansのLPS、Saccharomyces cerevisiaeのザイモザンなどを認識し、TLR4はLPS、リポタイコ酸、真菌細胞壁を認識し、TLR9は細菌に特異的なCpGモチーフ含有の非メチル化DNAを認識することが知られている。そこで、犬および猫の自然免疫機構を解明するため、犬のTLR2、4、9遺伝子および猫のTLR4のクローニングを行い、さらに各組織におけるこれらTLRのmRNAの発現を検討した。 クローニングしたのTLR2、4、9遺伝子のアミノ酸配列は既知の動物(ヒト、マウス、ウシ)の同じ番号のTLR遺伝子と、それぞれ高い相同性を示した。また猫のTLR4遺伝子のアミノ酸配列も既知の動物と高い相同性が認められた。この結果から、各動物のTLRは、同様の働きをしていると考えられた。 犬の各組織におけるTLR2、4、9の発現をRT-PCRによって検討したところ各TLRは検討した様々な臓器で確認された。各TLRは各組織において免疫機構に重要な機能を果たしているものと考えられた。今後は、各TLRのTLR2遺伝子多型と易感染性との関連について検討各抗TLRモノクローナル抗体を作成して、各TLRの機能解析を行う予定である。
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