研究概要 |
以前の当該施設に導入されていたMRIシステムでは本研究目的である,潅流画像法のパルスシーケンスが欠如していたため,当該研究補助金を用いてMRIシステムのバージョンアップを行い,研究可能な設備環境を整えた.またこのバージョンアップにより,これまで我々が研究してきた拡散強調画像もより高速に処理可能となったため,研究内容に拡散強調画像も加え,潅流画像と拡散強調画像の比較も加えることを計画した. まず初めに今回導入した既成のヒト用潅流画像プロトコールを用いて,正常な犬猫における潅流画像を撮像した.しかしながら,おそらく犬猫の脳血管が非常に微細かつ脳血流量が微小なため,および心拍数が異なるため,ヒト用プロトコールをそのまま用いたのでは有用な画像,特に今回の検討で必要と考えられるrCBF(局所脳血流量)およびrCBV(局所脳血液量)の画像が得られなかった(造影剤到達時間およびピーク到達時間のマップ画像は得られた). 現在,撮像パラメータ,造影剤注入量,造影剤注入のタイミングなどを様々に変化させ,対象動物(犬および猫)に適切な撮影プロトコールを検討している段階である.また今回のMRIシステムバージョンアップにより導入された潅流画像を解析するソフトウエアそのものがヒト臨床用に設計されているため,前述の理由からより精度の高い解析が必要となる可能性があり,その場合研究用カスタムメードのソフトウエアが別途必要となる.この件に関しても現在検討している.
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