研究概要 |
昨年導入されたMRIシステムにおける潅流画像(PWI)のパルスシーケンスを用いて,ガドリニウムを用いた潅流画像を撮影できるようになった.しかしながら,本施設に設置されているMRIシステム上の制約(ヒトの臨床用機器として設計されている)のため,犬の脳PWIを撮影する適切な条件設定が必要であった.正常動物を用い幾つかの撮影条件でPWI撮影を行い,条件の設定を行った.その結果,ガドリニウムを通常のMRI撮影で使用する2倍量にあたる0.4mL/Kg,撮影領域(FOV)が18cm,マトリックス64,スライス厚5-6mmという値にせざるを得なかった.すなわち画像解像度は2.8mmとなり,それ以下の変化は捉えられない.これにより本施設におけるMRIで猫の頭部PWIを解析するのは非常に困難であるものと考えられた(猫ではより高磁場(例えば3テスラなど)の装置か,より実験的にmodifyできるMRI装置が必要と思われる).ただし,この解像度があれば犬の頭部ではある程度の解析は可能であると考えられ,犬てんかんモデル動物を用いた撮影を開始した. これまで我々が報告している犬のカイニン酸誘発辺縁系発作重積モデルを作成,発作重積前と発作重積後3時間,6時間のPWI撮影を行った.解析項目を平均通過時間(MTT),脳血流量(CBF),脳血液量(CBF)とした.MRIシステム付属の解析ソフトウエアを用いた計算では発作重積後3時間,においてカイニン酸注入側辺縁系組織の血流増加が認められた.現在,他の解析ソフトウエアを用いて再解析を行っている.再解析を行い,データがまとまり次第,学会などで成果報告を行う予定である.
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