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2004 年度 実績報告書

中性子線による環境汚染重金属元素の非破壊超高感度絶対量分析

研究課題

研究課題/領域番号 16658129
研究機関東京大学

研究代表者

中西 友子  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30124275)

キーワード放射化分析 / 即発ガンマ線分析 / 非破壊分析 / 多元素同時分析 / JRR-3M / 重金属
研究概要

環境中の重金属汚染を高感度で分析できる手法(スクリーニング手法)を開発するため、非破壊状態で試料中の多元素を同時に分析できる手法を検討した。現在スクリーニング法としての手法が期待されている蛍光X線分析は多元素を同時に測定できるものの、正確な定量分析は困難である。そのため、化学処理を行うことなく非破壊で、かつ正確に多元素同時分析が可能な中性子利用分析が有用であると考え即発ガンマ線分析と放射化分析を併用した分析法の開発を行った。
本年度は即発ガンマ線分析と放射化分析の両者の感度ならびに正確さを求めることに重点をおいた。試料としては重金属分析用のポリエチレン標準試料(高濃度:BCR-680ならびに低濃度:BCR-681)を用いた。試料のポリエチレンを高純度ポリエチレン袋に2重に封入し、即発ガンマ線分析では日本原子力研究所研究用原子炉のJRR-3M即発γ線分析装置を用い、放射化分析では短寿命核種測定装置である、同研究所のJRR-3M PN-3を用いて実験を行った。Cl、As、Br、CdおよびHgについて検討を行ったところ、即発ガンマ線分析と放射化分析を併用することにより、高濃度ならびに低濃度標準試料において、認証値と5%以内の誤差で測定値を得ることが可能であることが示された。AsとBrは放射化分析のみ分析可能であり、CdとHgは即発ガンマ線分析のみ測定ができた。また、Clは両方の分析法により定量できることが示された。2006年7月からEU圏内への輸出に際して規制対象となるPb、Hg、Cd、CrおよびBrについても検討を行ったところ、Pb以外は全て非破壊同時分析が可能であることが判った。
また、Cd汚染土壌における作物中のCd汚染を調べるため、土壌中のCd濃度を変化させ、ダイズを生育させている最中である。特に可食部におけるCdの蓄積量を調べるため、結実前後における植物を4生育段階に分け採取を行っている。土壌ならびに植物中の重金属を放射化分析ならびに即発ガンマ線分析に供すべく調製中である。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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