研究課題
I-型ウイルス-宿主細胞膜融合機構を標的とした新興・再興ウイルスに対するウイルスゲノム情報収斂型創薬研究の一環として強力な抗HIV剤の創出に成功したXEEXXKK概念に基づく6-helical bundle構造形成阻害剤の創出法の応用研究を実施した。1 SARS-CoVに対して創出した膜融合阻害剤の作用機構に関して詳細な検討を行い、VERO-E6細胞に対して直接感染系は強力に阻害するが、エンドサイトシスを介する感染経路の抑制には有効ではなく、この経路の阻害方法に関する新しい方法論が開発する必要があることを明らかにした。また昨年度見いだしたSARSCoV膜融合阻害SR9EK1の構造活性相関研究を通じてより有効性の高いSR913EK1を見いだした。SARSCoVの実験動物モデル系での有効性評価を今後実施する。2 猫エイズ(FIV ; Feline Immunodeficiecy Virus)に対してXEEXXKK概念の応用により細胞レベルで強力な膜融合阻害剤が創出できることを明らかにした。猫感染モデルでの有効性を今後検討する.3 インフルエンザウイルスに対しても同様な方法論の応用を試みたが有効な膜融合阻害剤をみいだすには至らず、エンドサイトシスを介する経路を有効に抑制する新規な方法論の開発の必要性を痛感した。4 独自に開発したペプチド性HIV膜融合阻害剤SC34EKを臨床の場に供するためには大量生産系を構築する必要がある。大腰筋、酵母、および麹を用いる34アミノ酸残基SC34EK誘導体の生合成システムについて詳細に検討し、融合蛋白質として大量合成できることを明らかにした。融合蛋白質からの切り出しと精製法の確立が今後の課題であるが、化学合成法に比べて生産コストを大幅に削減できる可能性を示した。
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