研究課題/領域番号 |
16659037
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
辻 彰 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10019664)
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研究分担者 |
加藤 将夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30251440)
久保 義行 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20377427)
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キーワード | 薬物トランスポーター / ペプチド / 有機カチオン / アデノウイルス / 薬物送達 |
研究概要 |
本研究は、薬物輸送能を有するトランスポーター遺伝子あるいはアンチセンス配列を臓器にin vivoで導入する発現ベクターを構築し、薬物の特異的かつ能動的な組織送達が可能であるかを検証するものである。しかし、このためにはin vitro系における厳密な検討が必要であり、このため、本年度は、発現ベクターの構築・改良、導入条件等に関して、培養細胞等を用いた検討実験を行った。アデノウィルス発現用ベクターであるpAdTrack-CMVにペプチド・トランスポーターであるPEPT1、PEPT2、HPT1遺伝子をそれぞれ組み込み、必要な発現用ベクターを構築を完了した。さらに、PEPT1ならびに有機カチオントランスポーターであるOCTN1、OCTN2に関しては、それぞれに対応したアンチセンス配列発現用ベクターの構築を完了させた。これらに関して、ヒト胎性腎由来細胞HEK293細胞、ヒト胃がん細胞由来細胞MKN45細胞あるいはHela細胞などを用いて、感染条件、発現量等の条件検討を行った。発現量のモニタリングはmRNA量の変化で調べたが、この結果、至適と考えられる条件の同定に成功した。これにより、トランスポーター発現細胞系を用いた機能解析も可能となると同時に、in vitro系での検討からin vivo系検討に移行することが可能となった。 以上のように、種々トランスポーター分子の個体(in vivo)への発現検討を行うために必要な前段階実験、つまり細胞(in vitro)段階での至適条件の同定は完了した。
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