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2006 年度 実績報告書

メルカプトプリン投与による肝障害とキサンチンオキシダーゼ(XO)遺伝子多型解析

研究課題

研究課題/領域番号 16659041
研究機関東北薬科大学

研究代表者

金野 由美子  東北薬科大学, 薬学部, 講師 (90364413)

研究分担者 平塚 真弘  東北薬科大学, 薬学部, 講師 (50282140)
佐々木 崇光  東北薬科大学, 薬学部, 助手 (20382674)
キーワードキサンチンオキシダーゼ / 遺伝子多型 / SNP / DHPLC / メルカプトプリン
研究概要

キサンチンオキシダーゼ(XO)は生体内において、プリン代謝の最終段階を触媒する酵素であり、医薬品では6一メルカプトプリン(6-MP)の肝臓での解毒代謝に関与している。したがってXOの遺伝子多型による酵素活性の異常が6瑚Pの副作用、特に肝障害に影響を及ぼす可能性がある。今回、野生型XOエントリークローンを基にsite-directed mutagenesis法により各々の変異を導入後、哺乳類細胞発現用ベクターに乗せ換えることで変異型XO発現用クローンを得た。21種類の変異型XOをCOS-7細胞に発現させ、S-9画分を調製した。XOタンパクの発現は抗ヒトXO抗体を用いたイムノブロット法により確認した。次に、基質であるキサンチンを1.2μM-24pμMの濃度範囲でin vitro代謝させ、HPLCにより代謝物である尿酸を定量し、XO酵素活性を算出した。キネティックパラメータはEadie-Hofstee plotを用いて算出し、野生型と変異型XOの酵素機能特性を比較した。
その結果、21種類全ての変異型XOの哺乳類細胞発現用クローンを構築し、変異型XOを発現させることができた。これら変異型XOのうち、Arg149Cys及びThr910Lys型では酵素活性が検出限界以下、Arg607Gln、Thr623I1e、Asn909Lys及びCys1318Tyr型では酵素活性の有意な低下が認められた。また、His1221Arg型で酵素活性の有意な上昇が認められた。
XO酵素活性の低下を示す変異では、肝臓での6-MP代謝能の低下が予測され、TPMT酵素活性の低下では説明のできなかった肝機能障害の発症リスクに寄与する可能性が示唆された。XO酵素活性が上昇する変異では、肝臓での6-MP代謝が促進されることが考えられ、6-MPによる副作用発現リスクの低下が予想された。その一方、血中へ移行する薬物量の低下が示唆され、急性リンパ芽白血病再発リスクの上昇が考えられた。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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